ヒトラーが、未来派の絵画を罵倒した記事を見て、ヒトラーらしいなと思った。
そうしてヒトラーが画家として立ったなら、むしろ穏健な、さりとて古くない、ポストアンプレッショニストとして彩管を
未来派は、表現派や立体派や構成派などと共に、第一次世界戦争中に起こった、極わめて革命的の流派で、
それは順を追っての革新ではなくて、マリネッチなどという南欧情熱の子が、天来の芸術的恍惚裡に於て、唐突に、直感的に創造した変質芸術ともいうべきものなのである。
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さて、ところで、戦争は詩でもなければ芸術でもない。国と国、民族と民族とが、一切の精神と物質とを傾けつくした格闘なのである。最も現実的のたたかいなのである。これに破れたものには死と滅亡とが待っているばかりである。
だから
マジノ線を突破した
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ヒトラーは天才だと云われている。
私もそう思う。
彼は政治家としても天才であり外交家としても天才であり戦術家としても天才である。
彼は又芸術家だと云われている。
それは彼の本来の志望が画家であり、青年時代、多少彩管をもてあそんだからであろう。
彼を総統にいただき、今次の欧洲大戦争を惹起した
彼が、未来派絵画を謳歌するていの変質的芸術家であったならば、漸進的戦術と、伝統を改良した新兵器とを用いて、難攻不落と称されたマジノ線を、ああも簡単に、ああも天才的に突破することは出来なかったであろう。
だから彼が画家として立ったなら、印象派から一歩進んだ後期印象派画家として彩管をふるったことであろうと思われる。