わが女王へ。決して穢れなかつた私の魂よりも、更に清浄な私の両眼の真珠を。おんみの不思議な夜宴の觴に投げ入れられようために。
善意ある港の朝の微風へ。昨夜の酒に濡れた柔かい私の髪を。――蝋燭を消せば、海の旗、陸の旗。人間は悩まないやうに造られてある。
わが友M***へ。君がしばしば快く客となつてくれた私の Sabbat の洞穴の記念に、一本の蜥蜴の脚を、すなはち蠢めく私の小指を。――君の安らかならんことを。
今日もまた、
シエヘラザードへ。鳥肌よりもみじめな一夜分の私の歴史を。
S港の
***嬢へ。私の悲しみを。
売笑婦T***へ。おまへがどれほど笑ひを愛する被造物であるかを確かめるために、両
巌頭に立つて黄銅のホルンを吹く者へ。私の夢を。――紫の雨、螢光する泥の大陸。――ギオロンは夜鳥の夢に花を咲かす。
母上へ。私の骸は、やつぱりあなたの豚小屋へ返す。幼年時を被ふかずかずの
泡立つ春へ。pang ! pang !