「親分、聞きなすったか」
「何だ、騒々しい」
銭形平次の家へ飛込んで来た子分のガラッ八は、
「大変な事がありますぜ」
「また、
「冗談じゃねえ、今日のはもっとイキのいい話だ。何しろ、仏様のねえお
「何? 仏様のねえ葬い、――どこにそんな事があった」
平次もツイ乗出しました。日頃は話半分にしか聞かれないガラッ八ですが、今日持って来たネタには、何かしら人の好奇心をそそる重大性がありそうです。
「
「それは聞いた。観音様へお詣りに行った帰り、供をしていた女中の眼の前で行方知れずになったという話だろう」
「それが、
「怪談話なんか聞いてやしねえ、馬鹿野郎」
「馬鹿野郎は情けねえな、それがみんな本当の話なんだから恐ろしい」
「それで、仏様のない葬いを出したって筋だろう。紋切型の怪談じゃないか、江戸開府以来もねえものだ」
「ところがね親分、それがみんな幽霊の註文なんだって言いますぜ」
「何? 幽霊の註文、
「葬いを出してくれなきゃア浮ばれないから、私の持物のうちでも、日頃から大事にしていたものや金目のものをみんな
「八ッ、それは本当か」
「本当にも何にも、町内で知らねえのは銭形の親分ばかりさ」
「とんでもねえ野郎だ。俺の住んでいる町内で、そんな人を
帯をキュッと締め直すと、白磨きの十手を手拭に包んで懐の奥へ、
「親分、どこへ行きなさるんだ。断っておくが、あっしのせいじゃないぜ」
平次の意気込みに驚いて、少しおどおどするのを、
「何をつまらねえ、誰も
「チェッ」
「怒るな八、近江屋へ真っ直ぐに案内しろ。親達に歎きをかけた上、大金までせしめようというのは、いかにも憎い幽霊だ。三日経たない内に、きっと
「ヘエ、恐ろしい意気込みなんですね、親分」
「覚えておけ、俺はそんな細工をする化物は大嫌いなんだ」
まだその頃は、若くもあり、血の気も多かった銭形の平次は、こう言ってその太い眉をひそめました。寛永から明暦、万治年間へかけて鳴らした捕物の名人、一名
花川戸の質両替屋、近江屋
あまり美しすぎるのと、親達の
ある日、女中のお
大地へ吸い込まれたか、それとも仁王様の
近江屋の騒ぎは大変なことになりました。出入りの
あまり綺麗すぎて魔がさしたか、人買い人さらいといった類の悪者にしてやられたか、それとも、美しい虹のように蒸発してしまったか、
三日目――の夜でした。
店の大戸を下ろしてしまってから、ホトホトと叩く者があるので、そこに居た小僧の
ツイ軒の下の暗がりに、紛れもないお雛が、水に濡れたような姿でションボリ立っていたのです。向う側の屋根の上にかかった、青白い月に照されて、それがまた何とも言えない物凄さ。
「あッ、お嬢様」
あわてて潜りを開けて、店中の人が飛出しましたが、夏ながら凍るような月夜で、
「馬鹿ッ、夢でも見たんだろう」
しかしちょうど臆病窓の下、乾いた土の上が一尺四方ばかり、そこだけぐっしょり濡れているのを見て、叱った大僧達も思わずハッとして顔を見合せました。
「あっ、お雛じゃないか。お待ち」
横手の雨戸に飛付いて、大町人らしい厳重な締りをガタガタ外し、一枚開けると、夢中になって中庭へ飛出しましたが、そのとき眼に触れるものは、時代のついた石灯籠ばかり、お雛の姿は掻き消すように失せてしまいました。
「お雛がどうかしましたか」
女房のお豊も、寝巻姿のままで飛出して来ましたが、主人治兵衛が、庭石の上にドッカと腰を下ろして、狐につままれたような顔をしているのを見るだけ、傾く月影にすかしても、猫の子一匹隠れる場所があろうとも思われません。
「親分、こういうわけだ。親としては、これほどの歎きはない、死んだなら死んだでもいい、せめてその
近江屋の主人治兵衛、ちょうど折よく訪ねて行った、銭形の平次を奥へ招じ入れて、娘の行方不明になった
「お察し申します。が、それは世間で言うように、やはりお嬢さんの幽霊の望みでなすったのでしょうか」
「とんでもない。娘はそれからも二三度姿を見せましたが、一言も口を利くことはございません。空葬式を出せと言ったのは、それ、伝法院の前にいつも出ているあの
「ヘエ――」
「
「ヘエ――」
「あまり娘が可哀相で、死んだ者なら
「で、その通りなすったのでしょうな」
「致し方がありません。私どもに何の考えもあるわけはなし、それくらいのことで娘の後生が楽になれば、まことに安いものでございます」
治兵衛はこう言って
「驚きなすっちゃいけませんが、お嬢さんは生きていますよ」
「エッ」
「お聞きでしょうが私は滅多なことで自分から飛出しません。お上の御用は勤めておりますが、人に縄を打つ商売の浅ましさを、つくづく知っているからでございます。ところが、子分の者の話や、世上の噂で、お宅のお嬢様の災難を聞いて、あまりの事にジッとしていられなくなって、ツイ押付けがましくやって来たようなわけでございます」
「…………」
「お嬢様は決して死んじゃいません。それは立派に
「本当でしょうか親分、――もし娘を助けて下さったら、私はこの身上を半分差上げても惜しくはありません。万に一つも生きているものなら、どうぞ助けてやって下さい」
大家の主人の貫禄を忘れて、治兵衛は畳の上へ手を落してしまいました。
「そんな事をなすっちゃ困ります。まアお手をあげて下さい。それに私は慾得ずくで飛出したわけじゃございません」
「それはもう、平常から親分の気性はよく存じております。家内にも聞かせて、喜ばしてやりましょう」
手を叩くと、転がるようにお豊。
「様子は
三十六七の盛りを過ぎた女房姿ですが、昔はどんなに美しかったろうと思うお豊、少し取乱した様子で、平次の膝に
「お疑いもあるようだ、こうなすって下さい。伝法院の門前に居る易者が、そのまま店を張っているようなら私はこの事件から手を引きましょう。もしまた、易者の観相院が、二三日この方見えないというようだったら、何もかも騙りの仕業で、お嬢様の身の上には万に一つも間違いはありません」
こう言う平次の言葉には自信が
小僧の
「この上は見るまでもありますまいが念のためにお墓へ案内して下さい」
銭形の平次、近江屋治兵衛、それに番頭が一人、
「御安心なさい。お嬢さんはきっと無事で還りましょう」
平次はこう慰めておいて、一たん自分のところへ引取りました。
後で、近江屋治兵衛、死んだと思ってあきらめていた娘が、たぶん無事に生きているだろうとなると、居ても立ってもいられない、恐ろしい
「いっそのこと、娘を返したら、大金をやるという高札でも出してみようか。慾にころんで
物持の人の親らしい考えで、平次が止めるのも聴かず、役所の許しを得て、江戸の目抜きの辻々に、真新しい「尋ね人」の高札を建てさせました。
高札の文句や寸法には
江戸中は、しばらくこの噂で持ちっきり、三日経たないうちに、お雛が五六十人も現れそうな勢いでしたが、さて実際にそうは行かないものとみえて、治兵衛夫婦の気組みや予想を裏切って、心当りを言って出る者は一人もありません。
ことに弱ったのは、銭形の平次でした。三日と請合った日は今日限りとなりましたが、どこへどう隠されたか、お雛の
近江屋は質屋渡世で、ずいぶん客に泣かれもし商売の事では頑固なことも言いましたが、近頃は身上が出来て、三文質は取りませんから、そんなに
治兵衛はまことに好人物の旦那、お豊は若い時は評判の美人だったと言いますが、ここへ嫁入りしてもう二十年にもなります、その上近い親類というものがないのですから、財産争いする相手も見付からない有様です。
平次はすっかり持て余してしまいました。
「こいつはいけねえ。あんな綺麗な娘一人、どこへ隠しておいたってピカピカするから、三日と知れずにいるはずはないと思ったのは、俺の
高々と腕を
「親分、
言葉より先に、格子をガラリと、入って来たガラッ八。
「ああガラッ八か、何か変った事でもあるのかい」
平次は腕を解きましたが、上眼使いに妙に沈んだ調子です。
「親分でもねえ、何て不景気なんだろう、近江屋のはまだですかい」
「それが解りゃ
「御挨拶だね、
「不景気な野郎じゃねえか、相変らずお小遣がねえんだろう」
「図星ッ、さすがに親分は眼が高え、そこを見込んで少し貸してもれえてエくらいのものだ」
「馬鹿、人が見たら笑うぜ、手なんか出して、ホラ、
平次は懐から財布を出して、
「有難え、だから親分は感心さ。世間では言ってますぜ、銭形のは腕前といい、気前といい、男っ振りといい、大したものだって」
「取って付けたようなお世辞を言うな」
「へッ、へッ、どうも今日はまんがよかったよ、
「何、何だとガラッ八、足を結綿で縛った烏だ、そんなものがどこにいたんだ」
平次の気組みは、急に熱を帯びて、ガラッ八の腕――財布を拾ったばかりの二の腕をむんずと
「何でもありゃしませんよ、馬鹿馬鹿しい」
「いや、何でもなくはない、どこにそんな烏がいた」
「驚いたな、どうも、
「それは大変だ、来いガラッ八、その烏に逢って訊きてえことがある」
「冗談でしょう」
平次は有無を言わせず、外へ引張り出しました。昼下がりの花川戸の往来は、暑さにしばらく
子供達の捉えた烏は、そのまま自身番に縛られて、
「どれだ、その結綿と櫛てえのは?」
「親分、お
番太の
「ちょいと借りてえが、いいだろうね」
「え、え、どうぞ御自由に」
平次はこの二た品を内懐に入れると、烏には眼もくれず、そのまま近江屋に飛んで行きました。
主人の治兵衛に逢って、
「この結綿と櫛に見覚えはありませんか」
と言うと、
「あッ、これは娘の頭に着けていたものでございます。どこから見付かりました、これがあるくらいなら娘の
夢中になって騒ぎ立てる主人を押えるように、
「待って下さい、まだお嬢さんを見付けたわけじゃありません、
平次は
「こいつは弱った。さて、これからどうしたものだろう」
ブラリと帰って来ると、
「親分、当りは付きましたか」
ぬっと横合から
「いや、まるで解らねえ」
「ヘエ――」
「ところでガラッ八」
「ヘエ――」
「烏というものは、飼い鳥ではないな」
「そりゃア言うまでもありません。
「黙って聴け」
「ヘエ――」
「どこの鳥屋にも、烏がいた
「ヘエ――」
「何とか言えよ」
「黙って聴け――って言ったじゃありませんか」
「融通のきかねえ野郎だな――、ところでお
「知ってますとも、奥山にも上野の森にも、
「馬鹿ッ」
平次は黙々として歩き続けました。
「あるよ、親分」
不意にガラッ八。
「あッ、
「忘れちゃいけねえ、烏を飼っている家」
「何、何だと、烏を飼っている家がある? どこだ、サア言え」
「言いますよ言いますよ、胸倉を掴まなくたっていい」
「娘一人の命が危ねえんだ。手前の
「驚いたな、どうも」
「手前は話に無駄が多くていけねえ、烏を飼っている家てえのはどこだ」
「奥山に近頃出来た化物屋敷ですよ」
「何?」
「土左衛門の
「本当か、それは」
「本当も嘘もねえ、烏があんまり鰌を食い過ぎるんで、五六羽飼って取代え引代え出すって言いますぜ、――だからたまにはあんなインチキな見世物も見ておくものだね、親分」
「ガラッ八、それでわかった。礼を言うぞ」
「どう致しまして、へッへッ」
ガラッ八は、生れて始めて親分に礼を言われたのです。
「二人だと人目につく、手前は帰って、素直に待ってろ」
「ヘエ――」
「何にも人に言うな」
平次は
浅草の奥山は、その頃
そこへ、春から小屋を掛けて、広々と建て廻したのは、いつの世にもくり返される見世物の「化物屋敷」。場所が淋しいのと、足場が存外いいので、夏の始めから江戸中の人気を呼んでおりました。
ずっと下って天保年間、東両国に小屋を出した
中は人形と張子と
平次がそこへ着いたのは、ちょうど人の出盛りを越した
泥絵の大看板をくぐって、二十四
入口を一パイに飾ったのは、遠見を使った
最初に出て来たのは一つ目小僧、フラリフラリと
折々は、キャッキャッと言う騒ぎ、物好きに入った女達が、あまり道具立が凄いのに
攻め道具沢山な道をしばらく辿ると、パッと明るくなって、
次の部屋は一面の
たったこれだけの事で、まことに平凡な趣向ですが、幽霊になる女の恰好が
やがて女は、
その時はもう幾人も見物が入っていません。平次は青竹の手摺を越えて、一歩幽霊の方へ近づきました。どうかしたら、これがお雛ではないかという疑いが、平次をすっかり
二三人の見物の客は、平次の態度に驚いて、逃げ腰にこの様子を見詰めております。と見ると、幽霊は不意に、
平次は呆然として青竹の手摺に還りました。もうそこには、一人も見物は居ません。
次の部屋は、打って変って明るく、
ホッとした心持になった平次、思わず四方を見廻したが、夕暮近いせいか、それとも先刻の自分の態度に驚いて敬遠したか、そこには人の姿もありません。腰を下ろして我にもあらず腕を組むと、
「お茶を召しませ」
可愛らしいお
「有難う」
茶碗を取上げて、と、顔を上げたお稚児と顔を合せて驚きました。
三つ目小僧です。
しかし、その三つ目の眼は、額の上へ絵の具で描いたのだとわかると、平次はかえってほほ笑ましい心持になって、もう一度お稚児の顔を見直しました。
眼が三つあるという外には、眼鼻立も尋常、たぶん女の児でしょう――まことに可愛らしい顔立ちです。
「フ、フ、お前はとんだ可愛らしいお化けだな」
と言う平次の眼を迎えて、お稚児の小さい指は、左に持った塗盆の上に動きます。
「何、何?」
――ぜにがたのおやぶん、たすけてください――こんや、らんとうばで、おめにかかりましょう、ひな――
「…………」
平次は言葉もなく眼を見張りました。この三つ目小僧は十二三がせいぜいというところ、お雛にしては若過ぎますから、多分お雛に頼まれてこんな事を書くのでしょう。
「…………」
平次は黙ってうなずきました。力強く、二度も三度も――。
金龍山の鐘が、ちょうど六つを
その夜、銭形の平次はどこをどうもぐり込んだか、化物屋敷の中の、蘭塔場の舞台のすぐ前に潜んでおりました。
天井に張った、幕やら
やがて
柳の下に何やら動くものがあります。と見ると、それはユラユラと背が延びて、
「お、お雛さん」
平次は同じ町内に住んで、この娘の顔は眼をつぶっていても思い出せるほどよく知っておりました。
髪こそ解き下げておりますが、素顔の色も白々と、
「シ、静かに、銭形の親分、お見かけしてお願い申します、どうぞ私を」
「シッ」
今度は平次が手を振りました。誰やら近づく気配。
「お雛さん、こうしている時ではない、さア逃げましょう」
青竹の手摺の中へ、手を延べようとすると、
「泥棒ッ、泥棒ッ」
「泥棒が入ったぞ、打ち殺せッ」
得物を持った五六人の若い者、平次を目がけてサッと殺到しました。
「エッ、邪魔立てするな」
相手の人数を測り兼ねて、十手は出しません。一人二人取って投げて、お雛をさらって逃げようとすると、いけません。
「あれエ」
蘭塔場の中へ潜んでいたらしい別働隊の二三人、バッタのごとく飛出すと、
「え、しぶとい女だ、今度は命がねえぞ」
二三人折重なって、そのまま大地へめり込むように、お雛も一緒に消えてなくなりました。
こうなっては、荒れたところで仕様がありません。
平次は向って来る一人の大男を突き飛ばすと、身をかわして道具裏の闇へ。
「それ、逃がすな」
一団になって襲いかかるのをやり返して、どこともなく消えてしまいました。
化物屋敷は、その
「蘭塔場へ出る幽霊が出ねえのはどうしたわけだ」
「今日は特別の大仕掛な見世物があるって言うぜ、多分そこで見せるんだろう」
といった囁きは、口から耳へ、耳から口へと伝わって、蘭塔場から、見越しの入道の張抜きを飾ったあたりは、塩辛くなるような混雑です。
やがて
「今日は特別な見世物を御覧に入れる。一度あって二度とない
口上とも独り言ともつかぬ事を言って、サッと左の手を挙げると、
井戸の中からキリキリとせり上げられたのは一人の女。
それが何と、髪振り乱して、鼠色の着付を引摺った幽霊でもあることか、水々しい
娘は井戸の上へ、
「ね、お客様方、仔細あって、私はこの娘を殺さにゃならねえ――とまあ考えておくんなさい。刀には種も仕掛もねえ、井戸の上で
権三の言葉には、恐ろしい真実性が
「切りさいなんでしまえば、娘は死ぬ。へッ、へッ、へッ、死んだ後で化けて出ようと出まいと、それは勝手だ、へッへッへッ」
悪魔の笑い――権三の頬に残酷な
「さア、よいか女、言い残すことはないか、諸人の前に死恥をさらすのも、お前の母親の心からだ、俺を怨むなよ」
「あッ待って……」
娘はパッチリ眼を開けました。色の
「ハッハッハッ、やはり命が惜しいか、可哀相に」
一刀、キラリと娘の胸へ。
と思うと、間髪を
「エ――ッ」
と飛んだ一枚の銭。権三の手首を打って、ハタと井桁に鳴ります。
「あッ」
思わず刀の手を下げると、続いてもう一枚。
「エ――ッ」
今度は権三の額、
「あッ」
たらたらと流れる血潮。
「轟権三、御用だぞッ」
張子の見越しの入道を引っくり返すと、その中から飛出した平次、
「御用ッ」
「神妙にしろ」
続いて群衆の中から、ガラッ八を始め四五人の子分、バラバラと蘭塔場に殺到して、権三を取り巻きました。
*
お雛は無事に救われました。
轟の権三は、お豊の昔の恋人で、不行跡で愛想を尽かされ、お豊は間もなく金持の治兵衛の許に嫁入ったのを怨んで、二十年後にたった一人の娘のお雛を
それが、銭形の平次が入り込んだのを見て、
易者の観相院は権三の手で、烏の足を結綿で縛って放ったのはお雛、これで何もかもわかったわけです。
「平次、今度は
と言うと、
「ヘエ、あの権三ばかりは、助けようがありません。憎い奴でございます」
平次は朗らかに答えながらも、人一人獄門に上げる不快さに、その秀麗な眉の